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放課後のマドンナ
第6章 ナンパ
「では、これでホームルームを終了します
また来週、元気な笑顔を見せてくださいね」
恭子先生がいつもの言葉で
ホームルームを締め括ると
淳一に視線を送ることなく教室を出ていった。
あの温泉旅館で童貞を捧げてから
数週間になろうとしているのに
恭子先生からは、まだお誘いがかからない。
『どうしたって言うんだ?』
こっちからデートに誘ってくるのを
待っているのだろうか?
いてもたってもおられずに
恭子先生にセックスのお願いをしようと
席を立って先生の後を追いかけようとした。
立ち上がった淳一の制服を
後ろから引っ張る奴がいる。
誰だ?と振り返ると
数少ない男子生徒の中でも特別に仲の良い加藤が
淳一の制服の袖を引っ張っていた。
「何だよ加藤、俺、ちょっと用事が…」
「なあなあ、明日の土曜日、
わーさ付ぎ合ってけじゃ」
いや、だから明日は恭子先生と…
そう言いかけて慌てて言葉を飲み込んだ。
二人の関係は誰にも教えないこと、
それが先生との約束だったのだから。
「付き合うって何だよ?」
まさか、こいつ、
ホモで俺に気があるって言うんじゃないだろうな?
「おめさあ…イケメンでねが?」
自分ではイケメンだと思ったことはないが
みんながそう言うからそうなんだろう。
「なあ、わんつか街まで遊びにえがねが?」
加藤は目を輝かせながらそう言った。