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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第15章 特別クロッキー会③
「施設の者です。騒ぎが聞こえたとの報告があったので確認のため失礼します。」

2人の職員に室内に入られ、服装が乱れた男たちとブレザー1枚の梨果を見た。

「こ、これは…。すぐに警察に電話を!お嬢さん!大丈夫ですか?!」

(…まずい事になったな。)



警察が来ると7人全員連行され事情聴取されることになった。

取り調べでは私は絵画教室の生徒として裸婦クロッキー会に参加しており、少女への卑猥なポーズの強要については自分は参加せず、ひどいものは止めに入ったが受け入れられなかったと話した。

講師と田村氏の梨果への暴行については積極的に抑止に努めたと供述した。

モデルが未成年であったことは知っていたと嘘偽りなく答えた。

聴取は翌朝まで続いた。他の6人も同様に裏を取られているのだろう。梨果が心配だった。


早朝、私は帰宅の許可が下りた。
妻が身元引受に来てくれたからだろう。
妻は国家公安委員会勤務だ。

警察のロビーで妻にも聴取と同様の内容を伝え、経緯については敢えて聞かれず話さなかった。

「未成年はまずかったね。」

「済まない…。」

「まぁ、うまく処理しておくわ。」

「あと…。彼らの処分もお手柔らかに…。」

「はいはい。でも被害者のあの子次第ね。」

「ありがとう。」

「いいえ、…じゃ私は霞が関に戻らないと。」

周りの警官の敬礼に応えながら妻は去っていった。



1ヶ月以上、梨果の携帯電話に何度も連絡したが出ることはなく、ついには昨日かけた際は“都合によりお繋ぎできません”との無機質なアナウンスが流れるだけになった。

既に12月になっていた。



富山氏の薬局と真田氏の写真館に赴いたが彼らは教室での下半身の露出が唯一の犯罪行為であったが、施設の職員に目撃されず梨果も訴えなかったようで日常を取り戻していた。

川瀬氏は施設の職員が押し入った際、性器の露出を目撃され告発されたが不起訴になったようだ。

田村氏は少女への自慰行為の強要と暴行の容疑があったが、示談によって刑を逃れたらしい。

講師である梨果の父親は、会の主催者であり未成年の娘への暴行と性器露出の容疑でしばらく拘置されるようだ。

主不在の講師の家に何回も訪れたが、梨果どころか母親もおらず行方がわからないでいた。

1日も早く梨果に会いたい。
会って話がしたかった。
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