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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第17章 再会
特別クロッキー会の騒動から2ヶ月が経過し、間もなく年が明けようとしていた。

講師は拘置から帰宅を許されたようだが梨果との一切の接触を禁じられた。

絵画教室もコミュニティセンターの利用を無期限禁止にされたため、再開の見通しが立たないとの封書が謝罪文と共に届いた。

噂によると講師の奥様は精神を病んでしまったらしく、遠い実家近くの病院に入院中らしい。

梨果は父親のためにあの日の恥辱に堪えたはずだが、あいにくにもその父親を狂わせたことによって家族を離散させてしまうという結果になってしまった。

梨果の行方はというと、全く手がかりが掴めていなかった。
妻のつてに調査を頼んでいるが、ちょうど年末年始に入り彼女も一段と忙しく連絡を取るだけでも一苦労だった。


梨果の心痛は計り知れない。私も下心が無かったとは決して言えないので、どうにか彼女を救ってあげたかった。

未だ梨果の携帯電話にかけても無機質なアナウンスが流れるだけだった。

(梨果…くっ。)

梨果と会わない時間が長くなると彼女の愛おしさが日に日に強くなった。


年が明けると妻の部下の真鍋さんから連絡があった。
梨果はどうやら児童一時保護施設にいるとの事だった。

やっと梨果の手がかりを掴めた…。


児童一時保護施設は基本的に面会が許されない場所であったが、関係機関に頼んでなんとか段取りをしてくれた。


施設に着くと談話室に通された。
女性職員が同席していた。
会話は全て記録されるとの事だ。

面談室で待っていると間違いなくあの梨果が入室してきた。

(あぁ、梨果…やっと会えた。なんて愛おしいんだ。)

「おじさん…。見つかっちゃったね。」

「梨果…体は大丈夫?ちゃんと食べてる?」

「…うん、大丈夫。ここの職員さんにはとても親切にしていただいてる。」

「それなら良かった。携帯電話に連絡したけど繋がらなくて。」

「ごめんなさい。みんなが心配してかけてきてくれたけど出られなくて…。解約しちゃった。」

「そうなんだ、心配したよ。お母さんも入院しているみたいだし。早く良くなるといいね。」

「…お母さんが良くなっても父の家には戻りたくない。一応学費は払い続けると言ってるみたいだから今の学校には通えるけど…。父と暮らすのはもう無理だと思う。父のためにあの日を決意したのにその人に裏切られるなんて…。」
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