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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第24章 美幸と美月
やっと左腕の包帯が取れた日、美幸の父親、写真館の真田氏から連絡が入った。

「学習塾のポスターが刷り上がったものがウチに届いたよ。ショーウインドーに貼っておくから見においで。」

その日の夕方に早速見に行こうと梨果の学校帰りに駅で待ち合わせをした。

「おじさーん。」

「なんでそんな大勢で…。」

梨果の他に美月に奏音までいた。

「だって早くみんなにも見てほしいじゃん。」

「まぁ、もちろんいいけど。」

美月が私の左腕を見る。

「…包帯取れてよかった。ごめんなさいでした。」

「美月さん、だから気にしないで。むしろ心配かけてごめんね。何度もお見舞い来てくれてありがとう。」

「ううん…。」

美月は顔を赤くして照れていた。


地元の駅なのにやたら目立ってしまった。しかしこれだけの制服美少女を3人も引き連れて歩く心地の良さは格別だった。
わざと川瀬サイクルの前を通る。

店内から川瀬氏が目を円くして見ていたので手を降った。梨果はツンとそっぽを向いていた。


さて、梨果は今日はどんなネタで写真館を訪れるのかが楽しみだ。

「こんにちはー。」

「ってやらないんかいっ!」

「ん?なにが?」

親友の前では猫をかぶるらしい…。

「やぁやぁお二人さん…てか大勢いるね。」

「私の学校の親友です。」

「うほぉー!桐邦中の美少女が3人も!ちょっとスタジオに来て!」

3人ともスタジオに拉致されてしまった。店内に1人残される私。

「…こんにちは。」

「美幸さん…。」

「お久しぶりです。腕、すっかり治ったのですね。」

「お陰様で元通りだよ。」

「よかった。」

「……。」

「一緒にショーウインドーを見ましょう。」

美幸と店外に出る。

そこには例の大手学習塾の生徒募集のポスターが貼ってあり、梨果と美幸、そのほかの子供たちとの授業風景が写し出されていた。
真ん中でセーラー服の梨果が挙手をしていて、その奥にブレザーの美幸がいた。

「…梨果ちゃん、やっぱり可愛いです。知的な顔が塾に合っていたのでしょうね。」

「美幸さんも可愛いよ。」

「もう、いいです。そういう勘違いすること言うのは反則です…。明らかに梨果ちゃんが主役です。」

「えっ?」
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