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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第25章 トラブルメーカー美月
「家出してきた。」

「え?」

美月は平日の昼間からうちを訪ねてきた。
冒頭の言葉通り家出してきたらしい。
とりあえずしがみついた美月を引き剥がして居間に通す。

「おじちゃん。この間は迷惑をかけてごめんなさいでした。お怪我、大丈夫?」

「いや、最悪な事になる前に見つけられて良かったよ。まぁもう少し早ければ良かったけど…。怪我は痛むけどどうにか動けるから大丈夫。」

「美月トラブルメーカーなの。」

(ホントだよ…。)

「…で、家出ってのは本当なの?」

「梨果とおじちゃんに母が酷いこと言ったって聞いたから…。」

「ああ…。」

「母には梨果とはもう付き合うなって言われたけどそんなことはできない。梨果は桐邦に入学して人見知りの私に初めて声をかけてくれた大事な友だち。奏音とも仲良くなれたのも梨果のおかげ。」

美月曰わく母親を絶対許さないという抵抗で家を出てきたらしい。

「こりゃまた厄介なことを持ち込んだね、キミは…。」

「ごめんなさい…。ほかに行くところ無くて。」

大きなスーツケースを眺める。

「おじちゃん、お願い。ここに居させて。」

「一応親御さんに連絡するよ。黙っている訳にもいかない。お家の電話番号を教えて。」

「いやっ!言わないで。」

「そんなこと言ったって捜索願いでも出されたらおおごとだよ?」

「わかった。自分で言うから…。」

美月は携帯電話で母親に連絡したようだ。周りに響くほどのヒステリックな怒鳴り声が美月の携帯電話から聞こえた。

そりゃそうだ。付き合うなと言った家に居るわけだから…。

リリリリリ…

私の携帯電話に着信が入った。梨果からだ。

「おじさん、美月が無断で学校に来なかったんだけどウチに来てたりしない?」

「ああ、ここにいるよ。」

「やっぱり…。すぐに帰るね。」


40分くらいして梨果が帰ってきた。

「美月、先生もみんなも心配してたよ。」

「ごめんなさいなの。梨果、この間はお母さんが酷いことを…。」

「…ううん。美月のお母さんの言いたい事もわかるから…。」

「梨果は悪くないし、おじちゃんだって梨果がウチの学校に通い続けられるのおじちゃんのおかげだって聞いてるもん!それなのに…酷い!お母さんを許さない!」

ピンポンピンポンピンポーン♪ガンガンガンガン!
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