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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第30章 美幸の決意、そして別れ
そしてそれから3時間……20時を回った頃だった。

「お待たせしました。撮影が終了しましたので保護者の方はお迎えをお願いします。」

階上に上がり梨果と美幸の姿を探す。すると教室内で仕立ての良さそうなスーツを着た男と3人で話をしていた。男の傍らに例の秘書がいたので恐らくあの男が河海社長だろう。年格好は私と同じくらいだと推測する。
しばらく廊下で待っていると会話は済んだようで梨果はその男に手を振り、美幸は深々と頭を下げていた。男は美幸の肩をポンポンと二度叩き、秘書と共に去っていった。

「おじさんお待たせー。帰ろ帰ろー。」

「あれが河海社長?」

「そ、カッコいいよね。」

「は??」

「あ、今おじさんヤキモチ妬いたでしょー?」

「なんか気に入らない。特に美幸さんの肩を触ったのが気に入らない。」

「おじさま…。」

「ちょっとー!私がカッコいいって言ったのにヤキモチ妬いてよー。」

「もちろん妬いてるよ。でも気軽に女の子に触るのは良くないよ。」

「おじさま…、梨果ちゃんも。このあと時間ありますか?お話があります。」

「……大丈夫だよ。お腹すいたでしょ。食事でもしながら話そうか。」


2人の着替えを待って街に出ると、近くのレストランに3人で入った。

「なんか高級そうだけどおじさん大丈夫なの?」

個室に区切られた客室のレストランだった。ゆっくり話すのには丁度いい。

注文を済ませて美幸が話し始めるのを待つ。

「おじさん、またビール飲むの?」

「ビールがないとおじさんは生きて行けないのだよ。」

「はぁ…。」

今日の撮影での出来事を聞きながら食事をした。

食事も終わりに差し掛かってから美幸は改まって口を開いた。

「おじさま、そして梨果ちゃん。話というのは…。」

美幸が口ごもった。

「…河海社長に芸能事務所を紹介していただく条件に身体の関係を求められました。」

「え…!?意味分からない。そんなベタな話しを美幸ちゃん信じるの?」

「今日その事務所の人にも会わせてもらいました。名刺もいただきましたが誰もが知る有名なタレント事務所の人でした。」

「社長の言うことには嘘はないと?」

「はいそうです。既に所属を約束されました。」

「絶対おかしい、そんな女の子の夢を食い物にしてヒドいよ。美幸ちゃん絶対やめた方がいいよ!」
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