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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第7章 梨果の下着
「パスタ!今日はパスタと決めてたの。いい?」

「いいよ。」

「一度入ってみたかったお店があるの。そこ行きたい。」

「わかった。では案内してもらおうかな。」

「しゅっぱーつ!」

見た目は童話に出てくる少女のようだが、性格は奔放だ。落ち込んだり盛り返したり。

しがみつかれた腕に胸の感触が伝わる。



梨果が勧めた店はイタリアンレストランというよりはパスタ専門店。値段が手頃だが味もなかなか良かった。
昼だが白ワインをボトルでいただいてしまった。

「なにそれ美味しそう。私にも飲ませて。」

「だめだめ。」

「ちぇー。」

服装と言葉遣いがいまいちチグハグだ。最初は敬語混じりだった記憶があるが、今は全くなくなった。

「はいはい、お子ちゃまにはソフトドリンクね。」

「ぷぅ~。」

この顔が見たくて意地悪してしまう。

「あのね、お父さんがね、また裸婦クロッキー会でモデルをやれって言ってきたの。」

「えっ?なんでまた。」

「私の勘なんだけど…田村さんと川瀬さんの差し金だと思う。ちょっと聞いたんだけど田村さんはお父さんに融資?とかしてたらしいの。だから逆らえないんじゃないかなって。だからこの間も私への無茶な指示を止めることができなかったんだよ。合点がいったよ。」

「なるほど、確かにあの教室では発言力があるからね。でお父さんには何て答えたの?」

「もちろん即答で断ったよ。」

「先生はそれで納得したの?」

「それがもういっこ提案してきたの。お父さんの次の作品のヌードモデルをまたやってくれって言われた。その時はウチのアトリエで他人は誰もいれないって。」

「うーん…。その提案にはどう答えたの?」

「考えとくって言った。」

「はは、考えるんだ。」

「おじさんに意見を聞こうと思って。」

「梨果さんにメリット無いよね?断れるなら断った方がいい。」

「う~ん。ちょっと気になるんだよね。」

「何となく何考えているのかわかるよ。」

「さすがおじさん。きっと正解。」

「クロッキー会の時のお父さんの反応はかなり印象に残ってるからね。」

「やっぱ気付いた?ただ謎なのは裸婦クロッキー会のモデルを断わられた代替としてのこの提案って田村さんたちを納得させる条件にならないと思うのだけどどう思う?」

「盗撮かな。」

「えっ!」
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