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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第10章 8月の幻想
駅に着くと友也くんと一緒の電車に乗る。
彼も元気がないようでいつもと違って多く喋らなかった。

そういえば一瞬とはいえ彼も私の裸を見たんだっけ…。
あの時どう思ったか聞きたいけど聞けないよね。

二駅で友也くんと別れて学校に向かう。

改札で親友の奏音と会った。

「梨果おはよー、最近男の子といない?もしかして彼氏?!」

「いや、違うよ。知り合いの息子さん。」

「そうなんだ!背が高くてカッコいいじゃん。」

…たしかにおじさんと似て背は高いかも。

「今度紹介してよ。」

「あー、機会があったらね。」

奏音も背が高くておっぱいもお尻も大きい。奏音こそモデルに適してるのにな。モデルの仕事なら紹介できるよー。…なんてね。


テストの手ごたえはイマイチだった。そりゃそうだ。考え事が多すぎて勉強が捗らなかったし。

午前中で学校が終わったので奏音と美月の三人でカフェで軽食と勉強会をした。

「ねえねえ美月、聞いてよ。梨果って最近男の子と電車で来てるんだけど、なかなかのイケメンなんだよね。」

「えー本当?梨果の彼氏じゃないの?」

「違う違う。」

「それが違うらしいのよ。」

「へー。」

「今度紹介してもらおうよ。合コンとかやんない?!」

「いいねー!」

「気が向いたらねー。てか向こうがOKするかわかんないし。」

「うちら三人の誘いを断る男子なんていると思う?」

「はいはい。」


あしたもテストなのにすっかり話し込んでしまった。
私が今抱えてる悩みなんかは絶対打ち明けられないけど、二人の悩み事は可愛いものだった。
私は手に入れたかった非日常と引き換えにした故の悩みだから…。

なんとなく帰ってお菓子をたらふく食べたくなったので、おじさんちの近所のスーパーまで足を伸ばした。
グミにポテチは必須。あとは…

(あ、いた!)

精肉売り場におじさんがいた。
正直おじさんと会えないかなーって思ってこの近所に来たってのがあった。
朝自分は間が悪いと思ってたのを取り消したいくらい。

また背中から脅かしちゃおー。

「おじさんも買い出しとかするんだ!」

…今回はあまり驚いてくれなかった。

聞いたところ夕飯の買い出しで友也くんと焼き肉をするらしい。
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