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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第10章 8月の幻想
お肉の他に野菜や飲み物を買ったので荷物がたくさんになっちゃった。
おじさん独りで歩いて持つにはたいへんなので私の自転車に載るだけ載っけた。

おじさんの家に荷物を置いてすぐに帰るはずだったけど、友也くんに引き止められて一緒に焼き肉を戴くことになった。

始めは友也くんとテレビの話とかしてたけど、おじさんが酔っ払ってテーブルの下でセクハラしてくるし胸ばかり見てるから何を話してたのかよく覚えてない。

みんな食事が落ち着いたところで友也くんから突然の爆弾発言を受けた。

「…あのさ、昨日父さんのスケッチブック見ちゃったんだけど。」

「!!?」

私は顔が真っ青になった。

「あれって、梨果さんだよね。」

「…。」

「…ああ、そうだよ。」

私はどう答えていいか戸惑ってたらおじさんが正直に答えた。

友也くんは更に私に確認する。

「梨果さん。本当なの?」

まぎれもない事実…。

「…うん。見たんだ…。」

友也くんが絶望的な顔してる。なんでそんな顔をするの?

「大人がよってたかって中学生の女の子裸にして絵なんか描いて。」

本当その通り。父のためとはいえ普通におかしいよね。

「梨果さんは…ぬ、ヌードモデルこれからも続けるの?」

断ったけどどうなるかわからない…

「そうなるかもしれない。」

「ええっ…そんなことって。」

「…友也くんも来ていいよ。」

「なっ…!そうじゃなくて…。ずっと俺はキミを守ってきたのに…。」

「えっ?」

守ってきた?どういうことだかよくわからなかった。


「ほらほら肉が焼けてるよ。食べて食べて。父さんは酔っ払って眠たくなったから少し席を外すよ。」

おじさんが席を立ってしまった。
(どこいくの?)
とジェスチャーしたら。
(奥の隣の部屋にいる)
と目で言っていた気がする。

その予想は正解で友也くんが背にした奥の部屋の襖の隙間からおじさんが見えた。


ここでまた事件を起こしてしまった。

今度は同世代の男子が私を見てどんな反応するか気になってウズウズ我慢できなくなっていた。

おじさんを見るとそんな私の思考に気付いたようで首を横に振ってやめなさいと言っているようだった。

でも…私は自分を止めることが出来なかった。
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