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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第11章 ヌードモデルの選択
梨果を送り届けた帰路、ヌードモデルの件をどうするか考えを巡らせていた。
梨果の父親が提示してきた条件は二つ。
再び絵画教室で大勢の受講者の前でヌードモデルの続きをするのが一つ。
父親である講師個人の作品のヌードモデルをするというのが二つ目。

梨果が言うには川瀬氏と田村氏らの要望だと推察している。
だとすると後者は彼らにとってメリットがない。

更に梨果が言うには父親の教室開設や定期的な個展開催に両氏から支援を受けていると言う。

その個展に梨果をモデルとした作品を展示したとしたら両氏の不服を買うことは必定だ。

後者を選択しても何らかの形で梨果のヌードを見ることが出来る仕組みがあると考えた。
恐らくは“盗撮”だろうか。

自宅のアトリエに隠しカメラを設置して梨果にヌードモデルをさせる。
その録画を彼らに渡す。という推測だ。

むしろ記録に残らない絵画教室の方が安全だ。何しろ私も参加できる。
正直私も梨果のヌードモデル姿を見たくないと言えば嘘になるが、何よりトラブルがあっても梨果を護ることができる。
それと公共施設を時間で借りるので事前に隠しカメラの設置も難しいだろう。
時間前から私も行けば“舞台”の設営時点から監視できる。

ただ…定期的に開催される裸婦クロッキー会だと人数が多すぎる。それと当日一般参加も可能なので前回“女子中学生がヌードモデルだったらしい”という噂が広まっているとしたら、その手の趣味の連中が殺到し、梨果は格好の餌食となり危険だ。


家に着くと梨果に電話をかけた。

『…もしもし。あ!おじさん?!』

「例のヌードモデルの件だけど、やっぱり教室の方にしよう。」

『えっ?!』

私の考えを梨果に説明した。

『裸婦クロッキー会とは別で開催してもらうって事?』

「そう。梨果にヌードモデルをさせることで先生にメリットがある人間だけの参加にしてもらう。あと梨果からの条件として私を参加させる事。」

『なるほど、何かあってもおじさんが護ってくれるって事ね。』

「その条件なら飲むと思うけどお父さんに提案してみて。」

『うん…。わかった。ありがとう。』

電話を切って居間に入る。
風呂に入りたかったが友也が入っているようだった。
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