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愛とは違う
第4章 小休止とイこう
相手のことが不思議に思う時、恐らく相手も同じくらい不思議に思うはずだ。
興味深いというのは互いに深みがあるからで、浅い相手の謎を暴こうとは思わないから。
「よくわからない」
だろうね。
キミは簡単に言えるそのセリフ。
僕はイルミくらいにしか言えないんだよね。
「だって、じゃあ世界は? 広くて大きくてとても一生じゃ回れないくらい深い相手なのに生まれた村から出ない人の方が多い。父さんとか、ハンターとか、限られた人しか興味を持たないってこと?」
おっと。
そういう方向に行く気はなかったんだけど。
そう無邪気な顔をされると無視できない。
人差し指を立てると、そこに世界の秘密があるみたいに見つめる両目は餌をあげる直前の小動物のそれだ。
「対人のことを言ってたんだけど♠」
「なに人?」
「んーん。世界に興味があるならそれだけ興味の深さが大きいって考えは?」
「世界級に!?」
「世界級に♦」
「ヒソカがハンターになったのは世界に興味が湧いたんでしょ。いつ?」
ボクは天才だから。
つまらなかったんだ。
難しいことをやりたかった。
ハンターは難しいって話題だったから。
そんな理由が一番つまらないと思うけど。
「村で一番になれば街で一番のやつに興味を持つ。そいつを殺ったら国で一番に興味を持つ。そしたら次は」
「隣の国に行く!」
「そう♥」
「そっか。ハンターなら都合いいもんね」
まあボクは捕まることがないから関係ないけど。
ゴンはベッドで足をぶらぶら揺らし真剣に宙を舞うホコリを見つめる。
「俺には?」
その視線はすぐにココに戻ってくる。
「ハンター試験?」
「自惚れてない?」
「えっ」
間違ったと慌てて視線を泳がせる子供。
なんで勝負以外だとこんなに揺らぎやすいんだろうね。