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坊ちゃまと執事 〜或いはキャンディボンボンの日々〜
第2章 お茶会狂想曲
「…え?お祖母様が見えるの?明日?」
アルフレッドは朝食の薄いトーストにバターをガリガリと塗りたくる手を止め、オスカーに尋ねた。
「はい。昨日、ロンドンのレディギネヴィアのお屋敷よりの使者がそのように…。
こちらは坊っちゃまへのお手紙です」
オスカーは銀の盆に載せた手紙をアルフレッドに手渡した。
内容を素早く読みながら、げっ!と小さく叫び眉を顰める。
オスカーが軽く咳払いをする。
「…坊っちゃま。お言葉遣いが…」
「…お祖母様が…フレデリックを連れて来るって…!」
「フレデリック様…。レディギネヴィアの遠縁のお坊ちゃまでしたね」
「そ、お母様がアメリカ人で、お父様がスコットランドの侯爵。でも離婚調停中で家が揉めているからお祖母様が今、預かっているんだ。フレデリックの教育上良くないからって」
「…それはご立派なことですね」
アルフレッドは両手を広げる。
「お祖母様は面倒見がいいからね」
「私はフレデリック様にお会いしたことはないのですが、どのような方ですか?」
アルフレッドがロンドンの屋敷に…ましてやレディギネヴィアの屋敷に足を運ぶことは極めて稀だ。
レディギネヴィアは空気が悪いロンドンに溺愛する孫のアルフレッドが滞在することを好まないからだ。
「…僕もまだ2、3回しか会ったことはないけれど…女の子みたいに綺麗な顔をしているんだけどさ、ツンと澄ましたいけすかないヤツさ。僕より二つ年上なだけなのに妙に大人ぶっててさ」
ロンドンでフレデリックに会ったことを思い出したのか、アルフレッドはムッとしながらトーストを齧る。
そんな様子が愛らしくてオスカーは思わず笑みを漏らす。
「坊っちゃまが人を悪く仰るのは珍しいですね」
「…だってさ!僕のことをてんで子供扱いするんだもん!」
アルフレッドの艶やかな白い頬に付いたトーストの欠片を取ってやる。
「…坊っちゃまは子供らしいところがお可愛いらしいのです。フレデリック様はまだ坊っちゃまの魅力にお気づきではないのですね」
アルフレッドの眼が蕩けるようにオスカーを見つめる。
「…オスカー!」
「坊っちゃま、折角お見えになるのですから、フレデリック様にもこのカントリーハウスでのご滞在を楽しんでいただきましょう。レディギネヴィアもきっとそれをお望みでしょう」
オスカーの優しい微笑みにアルフレッドは満面の笑みで頷いた。
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