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坊ちゃまと執事 〜或いはキャンディボンボンの日々〜
第3章 ドクター・アーレンベルグの恋
8月のある日、ソールズベリー家の執事、オスカー・スペンサーは郵便配達人から一通の手紙を受け取った。
「…アンドレア・チェンバレン様…。ああ、チェンバレン卿のご子息様か…」
朝のラテン語の勉強を終えたアルフレッドが、ぱたぱたと足音を立てて、自習室から現れた。
オスカーに抱きつきながら、手元を覗きこむ。
「なになに?誰からの手紙?」

オスカーはにっこり微笑みながらアルフレッドに手紙を差し出す。
「アルフレッド様のお父上のお従兄弟様、アンドレア・チェンバレン様からのお手紙ですよ」
アルフレッドはきょとんとした眼をする。
「…アンドレア・チェンバレン…?知らないなあ…」
オスカーは愛しげにアルフレッドを見下ろし、手紙を開く様を見つめながら説明する。
「…チェンバレン卿のご子息様、アンドレア様は先代の伯爵様のお年の離れた従兄弟様でいらっしゃいましたから。…しかもアンドレア様はパリのソルボンヌ大学に留学されていましたので、アルフレッド様とまだ一度もお会いしたことはないので無理はありませんね」
…ふうん…と呟きながら手紙に眼を走らせたアルフレッドは、
「オスカー!大変だよ。このアンドレアって人、明後日ソールズベリーに来るってさ。婚約者を連れて!」
と、オスカーに手紙を見せた。
オスカーは眼を見張る。
「…それは大変ですね。早速、おもてなしの準備をしなくては。…西翼の掃除と…いや、まず客間のカーペットとシャンデリアのチェックだな。…オルソンさんに昼食と晩餐のメニューの相談もしなくては…」
「忙しくなるね、オスカー」
アルフレッドは浮き浮きした様子でオスカーの腕にぶら下がる。
「ご機嫌ですね、アルフレッド様」
「…うふふ…。だってお客様が来たらラテン語とフランス語の勉強をしなくていいからさ」
ほくそ笑むアルフレッドを、オスカーは眼鏡越しの端正な碧の瞳で眇める。
「…もちろん、夜に纏めて学習していただきます」
「げっ!」
固まるアルフレッドにオスカーは、ふっと笑いかけそのまま足早に広間へと向かった。
「待ってよ!オスカー!…お客様が来る時くらい勉強は休みでいいじゃないか!…オスカー!オスカーてば!」
甲高い声を上げながら、アルフレッドは慌ててオスカーを追いかけるのだった。
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