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ーFeardー
第7章 チルチルミチル
「いてっ」
気がつくと、真っ暗になった道路にゴロリと寝ていて
身体中が痛かった。

顔は感覚がない。

そろそろ梅雨が終わる空は雨上がりで星が綺麗だった。

「いいことってこれかよ?」

痛すぎて感覚のない顔の、腫れあがったまぶたをそっと開けると
今まで空なんか見なかった星が輝いて見えた。

「あの・・・」

そんな俺に、そっと話しかけるのはさっきの女の子で。
「ずっと気を失ってて、大丈夫ですか?」
細くしか開かない目の端で見れば、女の子が心配そうに俺を覗き込んでいた。

「あんた、あのやばそうな男たちになにしたの?」
「私・・・私家出して。それで、あの・・・」

多くを語ろうとしない女の子は泣きそうだった。

「いいよ。もう」
女の子と話したのは何年振りだろう?
「これか?いいことって」
こんなちいちゃないいことに喜ぶ自分に可笑しくなって
「さてと」
と、自由の利かない身体を起こして帰ろうとした。

「あの・・・大丈夫ですか?」
「平気だよ。平気じゃねーけど」
カッコ良く笑いたいけど、この顔じゃな。

そう言って1,2歩あるいたところで、その女の子がじっとこちらを見ている事に気がついた。

「あんた、行くトコないならうちくるか?」
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