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ーFeardー
第7章 チルチルミチル
女と同じ布団に入るなんて38年間の人生で1度もなかったし
きっとこれからもない。

おまけに隣にいる女神はブラウス1枚の姿だ。

部屋はカップめんの汁の匂いとともに、隣から女神の、い~い匂いがした。

「いいことすぎるだろ?」

「え?」
「いや。こっちの話。明日パジャマとか服とか買ってこなきゃいけないな」
「そんな」
「いや。しばらくいるんだろ?」
「・・・・すみません」

女に何かしてあげることなんて初めてで、俺は浮足立った。

何でも買ってやりたい。

今まで別に真面目に働いてきたなんて言わないけど
町工場の安い給料はほんの少しの遊び以外は貯めてきた。

と言っても、もともと安月給だからな。
貯めたと言っても大したことない。

でも、これから先、俺にこんな『いいこと』があるなんて思えねーから。

貯金を使うことに抵抗はなかった。

「俺の趣味になっちゃうけど」
「石田さんが可愛いと思う服で良いです」

その言葉に俺は人生で初めて心がドキドキした。
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