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第2章 敵になった好きな男

まだ少女だったころから、私は騎士団長のラファエルに恋をしていた。

初恋だった。

10歳年上のラファエルに、叶わない恋だと言い聞かせていた。

そして、18歳の時。

私に結婚の話がやってきた。

ラファエルは、私に言った。

「幸せになって下さい。」

その時私は、この恋は終わったのだと思った。

「ラファエルも結婚するのですか？」

この時既に、28歳になっていたラファエルは、いつ結婚してもおかしくなかった。

「そうかもしれません。」

私はラファエルから離れると、静かに泣いた。

初恋が終わりを告げた瞬間だった。


クーデターが起こったのは、その一週間後だ。


「ラファエル。」

「はい。」