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蜜愛~男になった女~
第2章 第一部【白桜記】 其の一・高嶺桜
「泣いているの?」
 典姫が幼い貌を不安げにくもらせる。おさとの方は慌てて涙を拭い、微笑を浮かべた。
「折角きれいに咲いていた桜が散ってしまうと思ったら、つい哀しくなってしまって」
 おさとの方が淡く微笑んで言うと、典姫は真面目な顔で言った。
「桜は散るからこそ綺麗なのだから、泣いては駄目」
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