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蜜愛~男になった女~
第2章 第一部【白桜記】 其の一・高嶺桜
 典姫の振り分け髪に白い花びらがひとひらついている。おさとの方はその花びらをそっと指先で掬い取った。
「私でよろしければ、どうぞ姫様のお好きなようにお呼び下さいませ」
 おさとの方は微笑んで言った。
 典姫が再びおさとの方の胸に顔を寄せた。甘えたように頬を押し付けるその仕草には、愛情に飢えた子どもの気持ちが如実に表れている。それは、ひとえに親を恋い慕う切ない心だった。
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