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第3章 【白桜記】　其の三・巡る想いは

　昨夜は信頼のお召しがなかった。側妾となって以来、毎夜のお召しが続いていたことを思えば、極めて珍しいことである。おさとの方にとっては安らげるひとときではあったけれど、信頼に何かあったのかとその身が案じられた。
―こんな心配性なところは昔とちっとも変わってはいないのかもしれない。
　おさとの方は出来上がった色とりどりのお手玉を眺めながら、我知らず苦笑いを刻む。