この作品は18歳未満閲覧禁止です
蜜愛~男になった女~
第4章 第二部【こぼれ桜】 其の一 始まりの桜
長松丸誕生後、信頼はお忍びではあったが、おさとの方の父盛綱の病床を度々見舞った。最初信頼の姿を見た盛綱は落涙した。慌てて起き上がろうとしたのを制し、信頼は盛綱に言ったものだ。
―盛綱。そちは守り役として父上亡き後、幼きわしを守り育ててくれた。いわば、我が父同然だというに、頼母の世迷い言に惑わされ、そなたをこのような目に遭わせてしもうたことを後悔している。
そう言った信頼を盛綱は涙を浮かべた眼で見つめた。