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蜜愛~男になった女~
第5章 第二部【こぼれ桜】 其の二 水面下の計略
「このような時間に一体、いかなる用件か、火急の趣であるか」
 信頼の問いに、声は極めて冷静な声で告げる。
「されば、三日前の早暁、江戸城において上様がお隠れになられた由」
「―」
 しばらく信頼は無言であった。眼を閉じて思案顔だったが、やがて、おもむろに口を開いた。
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