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蜜愛~男になった女~
第5章 第二部【こぼれ桜】 其の二 水面下の計略
それでも、信頼と二人でこうして頼母打倒について語り合っていると、つい昔を思い出さずにはおれなかった。
聡一郎と呼ばれた時代。ただ信頼と河北藩のゆく末だけを考え、理想に燃え夢にすべてを賭けて生きていた自分。
聡一郎であることを止め、おさとの方として生きることに今更、迷いも悔いもない。ただ懐かしいだけであった。たとえ初めは強制的であったとしても、おさとの方は結局、自ら信頼の側で女として生きることを選んだのだから。
聡一郎と呼ばれた時代。ただ信頼と河北藩のゆく末だけを考え、理想に燃え夢にすべてを賭けて生きていた自分。
聡一郎であることを止め、おさとの方として生きることに今更、迷いも悔いもない。ただ懐かしいだけであった。たとえ初めは強制的であったとしても、おさとの方は結局、自ら信頼の側で女として生きることを選んだのだから。