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蜜愛~男になった女~
第6章 第二部【こぼれ桜】 其の三 散る桜、咲く桜 
「さ、殿。まずは一献」
 頼母が眼顔で促すと、琴江は打掛の裾をさばいて膝をいざり進めた。銚子を持ち上げて信頼の盃に並々と酒をつぐ。信頼はその盃をぐっとひと息に干した。
「おお、これは見事なものであらせられる」
 頼母は大仰な口ぶりで手を叩いた。その際、頼母と琴絵が微妙な視線を交わし合ったのを、信頼は見逃してはいなかった。
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