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第6章 第二部【こぼれ桜】　其の三　散る桜、咲く桜　

　おさとの方は帰ってきた信頼を手をついて迎えた。
「お帰りなさいませ」
　既に信頼は血糊のついた着物を着替えてはいたが、その顔色には濃い疲労の影が滲んでいた。
「ご本懐を見事に遂げられましたこと、心よりお歓び申し上げます」
　おさとの方が言上すると、信頼が怒鳴った。
「そのように容易く申すな。一体、何人の生命が失われたと思うているのだ」