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蜜愛~男になった女~
第6章 第二部【こぼれ桜】 其の三 散る桜、咲く桜 
 ひたすら祈り続けて漸く我に返ったのは、お美代が部屋の行灯に明かりを入れにやってきたときのことだ。ふと気が付くと、障子越しに夕陽が差し込み、畳を橙色に染めていた。
―殿は一体、どうなされたであろうか。
 巡る想いはただそのことだけであった。
 丁度その時、別の奧女中が信頼無事帰還の知らせを持ってきたのである。
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