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蜜愛~男になった女~
第9章 番外編【櫻の系譜・壱~雪時雨(ゆきしぐれ)~】 参
 信頼は長儀子を高嶺桜の見える部屋に連れていった。相変わらず誰も住んではいない部屋の障子は閉ざされている。閉ざされたままの障子を背に信頼は縁に座り、長儀子を腕に抱いた。
 夕刻の陽光が縁にまで降り注ぎ、庭の高嶺桜を黄金色(きんいろ)の光で包んでいた。陽光の当たり加減によって、満開の白い花が茜色にも黄金色にも見える。
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