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蜜愛~男になった女~
第10章 番外編【櫻の系譜・弐~水面の月-高嶺桜-】 壱―お千世

お千世は苦笑した。こんな風だから、十六にもなって子どもみたいだと同輩たちからもからかわれるのだ。お千世は河北藩藩主佐伯信純(さえきのぶずみ)の居城である河北城の奧向きに腰元として奉公に上がっている。父は馬廻り二百石の有馬甚兵衛である。
お千世には親の決めた許婚者がいて、やはり馬廻り役を務める高田雄次郎(ゆうじろう)といって、甚兵衛の直属の部下になる。雄次郎の亡き父親が甚兵衛と同役であり親しく行き来していたことから、父親同士が決めた縁談であった。雄次郎はお千世より四つ年長である。
お千世には親の決めた許婚者がいて、やはり馬廻り役を務める高田雄次郎(ゆうじろう)といって、甚兵衛の直属の部下になる。雄次郎の亡き父親が甚兵衛と同役であり親しく行き来していたことから、父親同士が決めた縁談であった。雄次郎はお千世より四つ年長である。

