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蜜愛~男になった女~
第11章 番外編【櫻の系譜・弐~水面の月-高嶺桜-】 弐―加恵    
「大丈夫でございます、ご安堵なさいませ。今宵は良い月夜でございますゆえ、花も明日までは散りませぬ」
「そう、良かった」
 お千世が心底安心したように呟く。
 加恵は哀しみに沈んだ気持ちで、庭を見た。
 明るい月光が庭の桜をひっそりと浮かび上がらせている。お千世はあの樹に満開の花を、そして花の下に恋しい男の幻影を見ているに相違なかった。
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