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蜜愛~男になった女~
第11章 番外編【櫻の系譜・弐~水面の月-高嶺桜-】 弐―加恵
それ以降、お千世は常ならぬ世界の方に身を置いていることが多くなった。時には現に戻ることもあるようには見えたが、彼女の存在する世界は現と幻の境界が次第に曖昧になっていっているようだった。
お千世はやがて、一日中ずっと非現実の世界にいるようになった。それは、かつて、お千世が信純と一刻を過ごした夢の世界、あの白い桜の花が満開に咲き誇る月の美しい夜であった。その夢の世でなら、お千世は永久に惚れた男と共に一緒に居続けることができる。
お千世はやがて、一日中ずっと非現実の世界にいるようになった。それは、かつて、お千世が信純と一刻を過ごした夢の世界、あの白い桜の花が満開に咲き誇る月の美しい夜であった。その夢の世でなら、お千世は永久に惚れた男と共に一緒に居続けることができる。