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蜜愛~男になった女~
第12章 番外編【櫻の系譜・参~花水木(はなみずき)~】
今、聡一郎の視線の先には花水木の樹があった。この河北城の庭にはあらゆる種類の花が植えられ、お抱えの庭師たちの手によって丹精されている。この季節には桜の樹も至る所で花を咲かせて人々の眼を愉しませていたが、この花水木も薄紅色の花を咲かせていた。
聡一郎は一刻、その花水木の花の可憐な美しさにに魅入られていたのだ。
「この花が気に入ったのであろう、少し待て」
信頼が今にも手近な樹の枝を手折りそうな気配を見せる。聡一郎は狼狽えて言った。
「殿、それには及びませぬ」
聡一郎は一刻、その花水木の花の可憐な美しさにに魅入られていたのだ。
「この花が気に入ったのであろう、少し待て」
信頼が今にも手近な樹の枝を手折りそうな気配を見せる。聡一郎は狼狽えて言った。
「殿、それには及びませぬ」