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蜜愛~男になった女~
第2章 第一部【白桜記】 其の一・高嶺桜

たとえ主君の命とはいえ、これだけは譲る気にはなれなかった。しかし、生まれ落ちたときから何でも自分の思いどおりになると思い込んでいる信頼は、けして諦めるということを知らないのだ。一度欲した物は、それがたとい他人の物であろうが、お構いなしに手に入るものと決めている。
ついに、おさとの方は信頼に独楽を献上する仕儀にあいなった。念願の物を手に入れた信頼は殊の外、満足げであったが、おさとの方は、たった一つの母を偲ぶよすがを奪われた。
ついに、おさとの方は信頼に独楽を献上する仕儀にあいなった。念願の物を手に入れた信頼は殊の外、満足げであったが、おさとの方は、たった一つの母を偲ぶよすがを奪われた。

