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荊の国
第6章 エピローグ 愛に狂った過去

遼は、夢見るように寒空を眺めた。
かつて他の国にいたことが、夢のようだ。
その頃はもっと自由で楽しく、それでいて不自由で暗く苦しかった。
海人…
遼は呟いた。
海人は遼の幼馴染だった。
気づけばいつも海人がいた。
大好きだ…
それが普通の親友としての友情を超えていることに気づいたのは、
まだ二人が高校の頃だった。
きっかけは、単純なことだ。
一つ年下の可愛い子に海人が告白され、付き合うか相談されたのだ。
「まだ早いだろ!大学受験はどうするんだよ!」
遼は焦って、いつもの様に答えた。
「ま~た、そういう…。中学の時だってそうやって反対したくせに。
今度は違うの。スゲ~可愛いんだよ!!!」
海人の浅黒い肌が赤らみ、恥じらって言うその様は反則。
「じゃあ、もっとやばいじゃん。勉強に身が入らなくなるよ!
俺たち今が大事なんだからね!」
「考えてみる。遼、いつもありがとう!」
そうやって、家の前で別れたあの時、
本当はもっと反対しておけばよかったのかもしれない。
それで、海人は愛と付き合いだした…
そして、遼は二人の親友になっていくしかなかった。
かつて他の国にいたことが、夢のようだ。
その頃はもっと自由で楽しく、それでいて不自由で暗く苦しかった。
海人…
遼は呟いた。
海人は遼の幼馴染だった。
気づけばいつも海人がいた。
大好きだ…
それが普通の親友としての友情を超えていることに気づいたのは、
まだ二人が高校の頃だった。
きっかけは、単純なことだ。
一つ年下の可愛い子に海人が告白され、付き合うか相談されたのだ。
「まだ早いだろ!大学受験はどうするんだよ!」
遼は焦って、いつもの様に答えた。
「ま~た、そういう…。中学の時だってそうやって反対したくせに。
今度は違うの。スゲ~可愛いんだよ!!!」
海人の浅黒い肌が赤らみ、恥じらって言うその様は反則。
「じゃあ、もっとやばいじゃん。勉強に身が入らなくなるよ!
俺たち今が大事なんだからね!」
「考えてみる。遼、いつもありがとう!」
そうやって、家の前で別れたあの時、
本当はもっと反対しておけばよかったのかもしれない。
それで、海人は愛と付き合いだした…
そして、遼は二人の親友になっていくしかなかった。

