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カクテル好きの男たち
第11章 永遠に貴方のもの
陽が落ちると
吹き込む風がいくぶん涼しくなってきた。
「『暑さ寒さも彼岸まで』か…
昔の人はうまく言ったものだね」
どうやら今夜はエアコンなしで
熟睡出来そうだ。
「ひと夏だけでも
エアコンが稼働してくれてよかったわ」
坂崎にガスをチャージしてもらったものの
ひと夏を越すと、
ついにエアコンはうんともすんとも動かなくなった
「まあ、古いエアコンだったしね
丁度いい機会だったんだよ」
隣のベッドでインテリアのカタログを眺めながら
秀一は「お、この配色ってシックでいいな」と
独り言を言った。
エアコンが壊れたのを機に
バーを改装することにした。
工期は約一ヶ月…
もともと客もあまり来なくて
暇な店だったけれど
完全にお休みにしてしまうと
これまた暇をもて余して仕方ない。
「暇だから
リハビリに集中するのがいいんじゃない?」
「ちゃんとリハビリに通っているよ
ずっと家に居るんだから
俺の行動なんて筒抜けだろ?」
ほら、今もこうしてトレーニングしてるしさ
秀一はわざとらしく
枕元の軟式テニスボールを取り出すと
これ見よがしにボールをニギニギした。
センターに通っているのは嘘偽りはない。
ただ、その後、ホテルに行って
テニスボールの変わりに
遥のおっぱいをニギニギしているけれど
それを告白すると夫婦喧嘩に発展するので
秀一は言葉を濁した。