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カクテル好きの男たち
第5章 女子高生 折愛(のあ)
退屈だ…
ひたすら退屈だった。
何もせずに家でブラブラしているのが
こんなにも苦痛だとは思わなかった。
仕方なく、秀一はリハビリセンターに
通うことにした。
テニスの軟式ボールをひたすら揉み続けるだけ
これでほんとに麻痺が快復するのだろうか?
「こんなことをしても
意味ないとおもっているんでしょ?」
リハビリ担当の杉本遥が
憮然とした表情を浮かべる秀一に声をかけた。
「どうにもね…こんなボールを揉むぐらいなら
女のおっぱいでも揉んでいた方が楽しいよ」
「あ~、残念!
私は、揉ますほど巨乳じゃないから諦めてね」
遥は秀一のアプローチを
難なくスルーしてしまった。
「何事も日々の精進が大事なんですから
退屈とかおもわないで頑張ってくださいね」
若い女に頑張れと言われて悪い気はしない
ひたすらボールを揉み続けて
気づけば、すっかり日が落ちていた。
「今日は、この辺にしときましょう
また、明日もお待ちしてますからね」
笑顔でステーションから見送られ
『仕方ない…明日も来てやるか』と
遥に会うためなら頑張れそうな気がした。
少しばかり運動をしたせいか
腹が減ってきた。
仕方なしに定食屋で鯖煮定食を平らげた。