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カクテル好きの男たち
第9章 白バイ野郎
「見事に白バイ隊員になれれば
給与もアップするし、
そうなったら良美にプロポーズするつもりでした
でも、その夢は、また無惨に消え去りましたよ」
「やっぱり、今のお給料だと
所帯は厳しいんですか」
「ええ、雀の涙ですからね
もし、良美が妊娠でもしようものなら
一気に家計は火の車です」
だから、是が非でも試験に受かりたかったんですよ
「僕の憂鬱を尻目に香川の野郎、
試験に受かったものだからルンルンでね
調子に乗って良美を口説こうかななんて
そんなことを言い出す始末です」
「まあ!それは大変だわ」
「そこで僕は、ふと思いついたんです
香川が試験に受かったのは
珠代さん、
あなたを抱いたからではないだろうかと」
「えっ?私?」
「ええ、多分、あなたは『あげまん』なんですよ
そこで、今夜、僕がここに来たのは…」
あなたを抱かせてもらうためです!!
真剣な眼差しで訴えるものだから
それが豊田のジョークだとは思えなかった。
「いえ、その…試験というのは実力ですし
私を抱いたからといって…」
そんなことはない!!
あなたを抱けば試験に受かりそうな気がするんです
いえ、きっと受かります!
だから…
貴女を抱かせてください!!
豊田はフロアに正座すると
土下座をして珠代に頼み込んできた。