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末に吉をあげる
第2章 書かされた約束

ギシ、ギシ、と音が響く。
頭おかしくなる。
「せ……せんせ、これ、やだ……なんか、すげえやです……っは」
混乱する。
だって、俺も類沢も動いてないのに、結合部分がぐちゅぐちゅって。
いつも責められるとこには届かないし。
向かい合ってるのに、肌が触れあうほどの距離感じゃない。
実験モルモットの交尾みたいで。
違和感。
違和感。
手を伸ばして類沢の肩を掴む。
涙が込み上げて、声が掠れる。
「俺、ちゃんと……っん、こんな……なくて、これでイきたくないっ、はっあ」
ずっと上下させられてる俺には止められない。
ガンガンと、打ち付けられて力も入らないから。
だから、懇願するしかなかった。
余裕な表情で楽しんでる目の前の男に。
軽く引っ掻いて、眉を潜めさせる。
「と、めろ……って言ってるんです……はー、あー……っ、いますぐに」
まだ、足りない。
生唾を飲んで、類沢の頬を手で包む。
前のめりになって、揺れながら。
「はやく……」
なんとか顔を上げて、睨みつける。
「っ、あんただけ……楽しむな……って」
あ。
眼が、愉快げに。
類沢は俺の手を上から握って、口許に持ってきてキスをした。
そのまま手のひらを舐め上げて、指を咥える。
吸うように。
甘く噛んで。
まるで舐めさせてるみたいに後ろ冷たい快感がせり上がってくる。
「せ、んせ……やだ」
尚も規則的に犯されて、世界が歪む。
類沢は口の端を持ち上げて、笑いながらキツく中指を噛んだ。
「あっぐ」
もう、その指先にしか意識がいかない。
舌先が。
白い歯が。
濡れた唇が。
俺の指を弄ぶ。
「と、めて……」
手首を固定されて、そこだけ椅子じゃなくて類沢に支配されている。
全身も、そうなりたいって叫んで。
だから。
早く。
今すぐに。
「止めて……止めろ……」
涙が顎から落ちる。
腰から力が抜けて、前に屈む。
急速に静かになった世界で、俺は類沢の胸元にもたれ掛かっていた。
ふと視界の端で、類沢の右手がスイッチから離れた。
はー、はーと息が空気を震わせている。
何度も射精したかのように、下腹部がぐっちょりと濡れそぼっていた。
余韻が抜けなくて、まだ世界が上下してる。
類沢が俺の背中に腕を伸ばし、汗だくの体を包み込む。

