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末に吉をあげる
第2章 書かされた約束

 毒々しい色の室内も、体の高揚とともに慣れてきて、シーツに身を委ねる。
 天井にはあらゆる角度から姿態を映す鏡が並んでいた。
 本当にいやらしい設計だ。
「先生、動かないで」
 解いたベルトに手を掛けた類沢を止める。
 それから逞しい肩を掴んで胸元にすり寄り、濡れたジッパーを撫でる。
「……俺に脱がさせてください」
「今年は随分挑発的だね」
 少し嬉しそうな声に心拍が乱れる。
 ああ、俺しか見たことない顔であってほしい。
 そんなことすら考えてしまう。
 さっきまで中にあった熱い性器に指先が湿る。
 ヌチャリと液が爪を覆うのも構わず、腰骨をなぞるように下に下ろす。
 反対の手でシャツのボタンを穴に通し、胸板を晒していく。
 類沢はなすがままにしてくれた。
 身を起こして腕を出し、傍らのサイドテーブルに衣服を重ねていく。
 肌色がやけに際立つ赤の真ん中、蒼い類沢の目だけは部屋に飲み込まれない。
 ぞくぞくと鳥肌を感じながら互いの裸体に視線を這わせる。
 先程まで向かい合っていたときとはまた温度の違う空気が包み込む。
 ふと、脇に置いてある道具に眼がいった。
 包帯のような、しかし分厚い目隠し。
 類沢もつられてそちらを見遣り、意地悪く眼を歪ませてそれを手に取った。
「僕と瑞希、どっちに付けてほしい?」
 綺麗な指で一本に伸ばし、とても答えの難しい提案をする。
 俺がつけるのは一度やったことがある。
 でも、類沢が付けるのは……
 想像して、感じたことのない興奮に襲われる。
 まるで自分が主導を握るような、そんな感覚。
「……雅さん、付けて良いですか」
 敢えて名前で呼んだことに、類沢も俺の心を読み取って微笑んだ。
 それから少し俯くようにして目に布を当てると、下ろした髪の上できつく結んだ。
 この部屋に染まらなかった眼が隠された。
 その事実で達してしまいそうになる。
「さて、どうする? 瑞希」
 口を手で押さえて呼吸を整える。
 鼻筋や唇をつい見てしまう。
 首筋に浮いた血管と、鎖骨。
 少しだけ固くなっている胸の突起。
 こんなに不躾に類沢を眺めるなんて初めてで、口が乾いてくる。
「念願の男役にでもなる?」
「そっ、いいです……まだ早いです」
 形勢は未だに類沢にある。
 当たり前だ。
 
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