パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 書かされた約束

「まだ、ねえ……」
　意味深に呟かれて焦って否定する。
「お、俺はっ、そんなつもりないです！」
「わかったよ」
　どこまで本気かわからない軽い口調で笑い、類沢は手を伸ばした。
　俺に向かって。
「おいで」
　手を合わせて、きゅっと握る。
　引き寄せられたのは一瞬で、気づくといつものように上から見下ろされていた。
　見えないはずなのに、類沢の視線を感じる。
「……見なくてもわかる。瑞希の眼はここで、唇、喉、心臓……」
　囁きながら指を顔から体に這わせていく。
　太股の間に割り入った膝が、時折局部を押し上げるのは故意かわからない。
「……自分で拡げたここも」
「んっ」
　じわじわと近づいていた指先がそこに触れて、力んでしまう。
「物欲しそうに唇をきゅっとして、目だけで訴えてくる。見なくても大体わかるよ」
「……ずるい、そんなの」
「くくっ、でも見たいけどね」
　さらりと。
　聞き逃してしまいそうな甘い言葉。
　真っ赤になったのも見破られてるだろうか。
　くそっ。
　悔しい。
「早く、挿れてください……先生のイキ顔まじまじと見てやります」
「あはははっ、いつも余裕ないくせに」
「言いましたね」
　俺は不意打ちのように類沢の下腹部に手を伸ばし、ぎゅっと握った。
　びくりとした類沢の首に手を回し、ぐっと引き寄せる。
「……挿れてください」
　首筋から脈が伝わってくる。
　俺は足を開いて導いた。
「まったく……誰に教わったの」
「目の前にいる悪い人ですかね」
「大変なことをしたね、その男」
　ふっと笑いが漏れたかと思うと、今までの空気を突き破るような勢いで一気に奥まで突かれた。
「は……っう」
　類沢の首に思いきり爪を立ててしまう。
　だが、引き剥がされることはなかった。
　機械のピストンでは届かなかったところまで抉るように擦られる。
「んんんっ」
　全然違う。
　こんなの耐えられるわけがない。
　類沢の手が俺のを優しく包む。
　なんで見なくてもわかるんだよ。
「うあっ、ちょ」
　裏筋を強くなぞられて、行き場のない熱に仰け反る。
「勝手に触った仕返し」
　熱い吐息と共に言わないでほしい。
　脳まで痺れてしまう。
　激しく突くのではなく、中を探るように押し付けられて、もどかしくもびくびくと跳ねてしまう。
「あ、っん……せ、んせ……っは、そんなゆっくり……」