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末に吉をあげる
第2章 書かされた約束
乱暴にされるよりも、その手探りに弱いところを刺激する方が全身を支配される。
内臓を押し上げながら、中から犯していく。
「ふっ、んあ」
声を上げさせたそのポイントを、虐めるように腰を打ち付ける。
一瞬で部屋が真っ白になり、ぎゃっと眼をつむった。
「はっ、ああう」
何かしがみつくものをと抱きつき、全身の痙攣が止まるのをじっと待つ。
脳はショートしてなにも考えられない。
腿の筋肉がびくんと震え、汗が伝う。
なんか、スゴい逝った。
それだけはわかった。
「……大丈夫?」
はっと眼を開けると、目隠しを取った類沢が頭を撫でていた。
すぐに身を離し、自分の顔を覆う。
俺、どんな顔してた?
どんな顔晒してた?
見られたか。
「見てないよ」
「……絶対うそ」
唇を噛んで、シーツにくるまる。
ひどい脱力感だ。
類沢は小さくため息を吐いて、後ろから俺を抱き締めた。
温かい。
心臓を重ねるみたいに。
「今日はいつもと違うことをしすぎだよね」
「……正月だから、いいんです」
本当はよくないけど。
でも、いつもより余韻もたまらないから。
汗で湿った体が愛しいほど。
背中に息が優しく当たる。
こんなにも近いんだ。
ベッドの上では。
「今夜はここに泊まるんですか?」
「一応朝まで取ってあるけど、帰りたいなら」
「帰りたくないです」
遮るように言うと、類沢の腕の締め付けがほんの少しだけ強くなった。
「……だって、まだ全然使ってない。この部屋の」
「そうだね。次はどれがいい?」
淡々と返されて、いかに恥ずかしい申し出をしたのか思い知る。
言葉に困っていると、背中から笑いが聞こえた。
「僕は興味なかったけど、瑞希は楽しそうでよかったよ」
「誤解あります、それ……」
別にこういうプレイは知識としてしか知らなかった。
あんな椅子は見たこともないけど。
でも、あのときの……
鞭で打たれた腰が疼く。
「痛いのは……嫌いじゃないです」
今度は腕から力が抜けた。
ああ、こういうことか。
見なくてもわかる。
ふっと頬が緩む。
「瑞希の為に学ぶか……この世界」
「やめてください、新年から」
「鞭とか本当に僕が参るんだけど」
「本当ですか? 今まであんな」
「殴ることはなかっただろ」
「……確かに」
つい罵ろうとした口をつぐむ。