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第3章 影のないひと
美しい人はずいぶん身体が軽くなったので、
おかしく思って周りを探した。
どこを見ても影がいない。
家の裏にも、木の下にもいない。
子供たちは姿を消していた。
男のしでかした恐ろしい行いに、自分が一役買ってしまった。

美しい人は途方にくれ、さめざめ泣いた。
美しい人は、その日から影のない人になった。

影がないと人の目が辛い。
影のない人はいつも日陰を歩いた。
影がないと光が辛い。
影のない人は光に透けてふわふわと歩いた。

"影のない人"
"美しい人"

影たちは囁き、影のない人をなで回した。
とりつく場所、影の切り口を探してはい回った。
でも影は綺麗にさらわれていたから、
くっつく場所も影の切り口もなかった。

美しい人の影がないことが影に知れわたり、
影と言う影が美しい人の影になりたがった。

影は夜になって影のない人の家の戸を叩いた。
影のない人は戸を開けなかったけど、
夜は誰の前にもいつの間にか現れた。
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