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第3章 影のないひと
影のない人の影は悪いやつの家の鏡に貼り付けられた。
悪いやつは朝も昼も明かりを灯し、
影のない人の影を濃く逃げられないようにした。

影のない人の影は美しい影だった。
悪いやつは美しい影を愛した。
美しい影には声がない。
美しい影には口も、耳も、目も鼻もない。
美しい影に在るのは輪郭と闇だけだった。

悪いやつは美しい影の輪郭を舐めて噛んで咬みちぎって吐いて、身体を埋めて埋もれて埋めて愛した。
美しい影は逃げ出そうともがいた。
美しい影は影のない人が啼いているのがわかった。
夜が美しい影のない人の中に出て入るのがわかった。
影のない人の影には美しい影以外なれなかった。
悪いやつは美しい影を愛した。
毎日美しい影を愛した。
美しい影は悪いやつにバラバラにされて、口に入れられ、吐き出され、瓶に詰められ、巻き付かされ、
様々に愛された。

美しい影は光の下で直ぐ輪郭を取り戻す。
美しい影は無い声で啼き、無い目で泣き、無い水を溢れさせ、毎日愛されていた。
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