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第3章 影のないひと
影のない美しい人はわるいやつを探した。
わるいやつに捕まった美しい影を探していた。

歩いても歩いても、どちらも見つからない。
美しい影のない人は震えて揺れて陽炎のように、
輪郭をブルブルブルブルと揺らし始めた。

影がないと人目が辛い。影がないと光が辛い。
美しい人は影にもなれず、人でもいられず、
陽炎のようにブルブルブルブルと揺れ始めた。

わるいやつは美しい影のない人が震えて壊れてしまいそうだと知り、慌てて駆けて、
そっと影から影のない人を覗いてみた。
美しい影のない人は光の中で、
1人立つ服のようにユラユラユラユラとはためいて震えて揺れていた。

美しい人、影のない人。
幾度も影のありかを問われて、
もう黙って哭くしかない人。

悪いやつは家に帰った。慌てて帰った。
戸を開け、鏡に張り付けた美しい影を探した。
美しい影のない人の美しい影。影、影。は、
どこにもいなかった。
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