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第1章 蟲に溺れる
男はさも楽しそうにひとしきり笑うと、私の尻を愛しげに揉みながら言った。

「流石きみだ。明け透けで、貪欲で、でも危険に敏感なんだ。いやね、この快楽はきみの身体を壊したり、ましてやきみを満足させられないほど短命ではないんだ。」

そういって取り出したのは、私が先程まで持っていたのと同じ瓶。私は男が蟲だと教えてくれるまで、つまらない媚薬だと思っていた。

男は瓶を開けて掌に蟲を出すと、別の手の人指し指をくわえてたっぷり唾を絡め、私の乳首にそれを塗りたくった。
私が少し身体を疼かせながら、それでもなすがままやらせていると、男は私の唾でテラテラ輝く乳首の上にその透明な蟲をのせてきたのだ。

(噛むのかしら、吸うのかしら…)

少しドキドキしながら待っていると、蟲は水に大いに喜んで遮二無二乳首をこねくりまわした。そのたび、乳首が自分のものではないように疼いてピンと立ち上がりだしたのだ。

「あぁこれ、すごいわ…。」

男は、鼻息のかかるほど近くで私の蟲に吸われている乳首を眺め、ニヤリと維持悪く笑って言った。

「ね、きみ、とてもいやらしいよ。乳首にそんな蟲を這わせて、淫らに喘いでいるなんて。」

私の脇腹や太股を、そのしっとりした熱い手でねちねち撫でて揉みあげる。私はその粘着質な責めに焦らされ、ついつい腰を揺らしてしまった。

「いやだわ、そんなこと。這わせたのはあなたなのに…。」

私が眉をよせ少し苦しげに男を流し見ると、男は察したように私の中へ長い指を差し込んできた。

「ンぁう…!」

「きみ、どう?さっきの前戯より辛く感じられるだろう。」

「あぁ…!あなた、さっきよりもっとすごいわ!」

男が指を押し入れる度に、私と彼の擦れる部分がジュプジュプと音をたてているのが聞こえる。

その間も蟲はずっと乳首の上で私に強い快感を与えていたけれど、さっきとは少し快感の種類が違う気がしていた。何やら今度は乳首の上でモゾモゾと口を動かしている。乳首の奥の、生理になるとはって痛む乳腺が、今日はじわじわ快楽を伴って疼いている。まるで乳房の内側をなめ回すような、追い詰められるような快感。

「ねえ、私の胸、なんだかおかしいみたい…。この蟲、一体何をしてくれたの?」
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