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第1章 蟲に溺れる
「きみ、もう僕の虜だね?え?」

私はクリーム色の、快楽の霧中、雑音のようにひびく男の声。

「ふふ、ふふふ、この蟲、すてき…。」

「…とにかく、一つ僕のお願いを聞いてほしい。」

そして男はピタリと動きを止めた。胸を狂おしく蟲に弄くられ高まっている熱を急に止められた私は、気が狂いそうになりながら自分で腰を動かした。あまりの快楽に恐怖を覚えながらも、果ての果てまでイき尽くしたいような二律背反の心。それを焦らされたお陰で天秤は大きく快感に傾いていく。

けれどそれも男の逞しい腕に止められ、私はもどかしさに半分泣きながら一つ頷き、内心男の駆け引きを軽蔑しながら了承した。男は私のおでこにキスをして、ご褒美と言わんばかりに腰を一度打ち付ける。

「あぁあん!」

ボロボロと泪が零れ、股間がキュウッと締まってより強く男を感じる。また私の薄茶色の乳首から、控えめながらもポタポタと母乳が滴り落ちている。もう片方には蟲が張り付き、股には男の肉棒がムッチリとねじ 込まれている。

──あぁ、凌辱、凌辱だわ…。

そう思うだけで私はイきそうになり、必死に男へしがみついた。男も気持ちよいのか、額に汗を浮かべながら優しく私の耳をなめ回す。

「この蟲を二匹、きみのナカで飼って欲しいんだ。そして蟲を入れて一ヶ月経った生理の時、また僕と寝て欲しい。」

ずるい、今二つ言ったわ!と言い返す前にもう一度腰を打ち付けられる。

「ンあぁ!」

「…どう?やってくれる?きみのことが気に入ったんだ。どうか僕の言うことを聞いてくれるね?」

男はそっと胸と蟲とに手を置き、次なる快感を暗黙のうちに予感させた。
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