この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
第1章 蟲に溺れる
「きみ、よーく眠っていたね。昨日から、僕はきみとのことですっかり満たされているよ。」

「部屋はきみの好きなときに出ていってくれて構わない。食事のことも部屋のことも"あの男"によろしく言ってあるから、まずはフロントに言ってくれ。」

「あと、クローゼットにプレゼントを置いておいた。それを着た君に早く会いたい。」

"あの男"とは今朝この部屋を片付けた、若い男のことだろう。全くいやみなやつだ。
クローゼットには小さな二つの瓶と、ベネックス・ブルーを彷彿とさせるロンググローブが入っていた。試しにはめてみると、着けていた方がしっくりくるほど裸の私とよく馴染んでいる。肌にシルクの光沢が映え、乳首の赤味をより瑞々しく見せた。
あの男らしい、偏執な贈り物だわ。この瓶も…。

私は、そっと瓶のひとつを持ち上げてみた。
中には昨晩、私の身体を男に屈服させる片棒を担いだ、憎いあの蟲が入っていた。この蟲も確かに透明だが、水が足りていないのか一回り小さく、固めたゼラチンを砕いたように表面がボコボコしていた。

私は昨日の身体の限界を超えるような快感を思い出す。これを生殖器である膣にいれたなら、一体どんな快感が自分を襲うのだろう。
一度、昨晩を思い出すように自分の胸をやんわり揉んでみた。昨晩程ではないが暖かな快楽が身体の芯を駆け抜け、母乳もじわりとにじみ出る。どういう仕組みか、恐らくホルモンバランスを操作したのだろう。

(でも、明日にはおさまりそう)

いずれ収まるものなのだと分かり、都合のよさに感心をした。
起きてから一時間が過ぎている。このまま帰って朝昼兼用の食事を取るのもいいが、身体がだるいこともありここで食事を済ませてしまうことにした。
私はローブを羽織ると、内線でフロントにコールした。

「…はい、こちらフロント。」

酷薄そうな男の、低い鼻声が聞こえてきた。これがあの若い男の声だろうか。耳障りの良い、落ち着いた低い声だ。

「食事をお願いしたいの。軽くでいいわ。」

それから軽くメニューのやり取りをすると私は男との会話を終えた。私はぼんやり窓の外を眺め、あの蟲をいつ中に迎え入れるかを考えていた。日取り的には今日がいい。けれど、あの男と寝てみて私は男のことを心底軽蔑してしまっていた。
/40ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ