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眩惑のディナーショー
第4章 三人目の御客様…どうぞ

「はあ…」

真っ暗な寒空の真下で切ない溜め息が漏れていた。
上を見上げれば空気が乾燥しているせいか星だけが眩く光り輝いている……

水滴が滲む瞳で見つめればその輝きは尚更増して、切なさも倍増してしまった。

今夜一緒に過ごす筈だった──

国務が忙しく中々逢えない異国の人……

国と国を結ぶ親善大使という役割を弟に譲ったから少しは逢える時間ができたと思ったのに、今度はお国絡みの裏事情で忙しくなったらしい──

仕方ない、国を守る軍の上官様だ。何よりも国を一番に考えなきゃいけないのだから──

「今年はお預けか……」

snowはそうボヤいていた。

家に着いて電気を付ける──

心も寒いが家も寒い…

「外も寒い……温かい場所があたしにはない……」

絶望感に苛まれ、フラフラと部屋の中を彷徨い歩く。
疲れた身体につい精神を病んでしまいそうだ。

今夜は特別な夜だったのに…

そう思いながら哀しい表情で電気を入れていない冷たいコタツにストンと座った。

「──…ん?」

落ち込んだ顔を上げ、コタツに目をやり視線が止まる。捨て忘れたコンビニのレシートかと思ったら何かのメモ書きだった。

“夕方6時半に迎えが行くから──”


「………え!?」

snowはメモを読み直して時計を見た。

「もう五分前じゃん…っ」

慌てて立ち上がった途端に呼び鈴が鳴った。

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