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眩惑のディナーショー
第7章 六人目の御客様…どうぞ
日本の高級住宅街。その一角の広い敷地に厳かな社寺造りの建物が立てられていた。釘を一切使用しない日本古来の造り。
その姿はまるで平安京──
京の都さながらの風情を醸し出している。
「紅葉の赤とサボテンの緑がよい具合に引き立てあっているな──…まるでポインセチアなる聖夜の花のようだ」
非国民を堂々と語るアデルは異教徒の祭り事である聖夜を讃えるように口にする。
庭に咲く異色のコラボ植物を愛でながら、日本に移住を決めたどこまでも優雅な放蕩王子は特注で作らせた牛車をハッサンに牽かせて街に繰り出した。
「今日はどちらへ向かわれますかアデル様」
「ふむ、日本のレストランを調べてくれとアサドから土下座で頼まれてな」
「………」
主人の口ぶりにハッサンは白い目で前を見たままだった。
確か日没前の祈りの最中にアサドが頼んでいた筈だ──
見ようによっては確かに土下座とも言えなくはないが……
「そんなことを仰ってるとまたボディに一発喰らっちゃいますよアデル様…」
アデルは口答えした上に説教ぶるハッサンにフン!と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「御託など聞きたくない! 取り合えずここへ向かえ!」
「………」
アデルから地図を受け取りハッサンは、はいはいとため息交じりに牛の手綱を牽いていた。
大学の敷地内にある本格派ビストロレストラン──
そこを目指し、突然現れキャンパスを横切っていく牛車に学生達は目を見開いている。
その姿はまるで平安京──
京の都さながらの風情を醸し出している。
「紅葉の赤とサボテンの緑がよい具合に引き立てあっているな──…まるでポインセチアなる聖夜の花のようだ」
非国民を堂々と語るアデルは異教徒の祭り事である聖夜を讃えるように口にする。
庭に咲く異色のコラボ植物を愛でながら、日本に移住を決めたどこまでも優雅な放蕩王子は特注で作らせた牛車をハッサンに牽かせて街に繰り出した。
「今日はどちらへ向かわれますかアデル様」
「ふむ、日本のレストランを調べてくれとアサドから土下座で頼まれてな」
「………」
主人の口ぶりにハッサンは白い目で前を見たままだった。
確か日没前の祈りの最中にアサドが頼んでいた筈だ──
見ようによっては確かに土下座とも言えなくはないが……
「そんなことを仰ってるとまたボディに一発喰らっちゃいますよアデル様…」
アデルは口答えした上に説教ぶるハッサンにフン!と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「御託など聞きたくない! 取り合えずここへ向かえ!」
「………」
アデルから地図を受け取りハッサンは、はいはいとため息交じりに牛の手綱を牽いていた。
大学の敷地内にある本格派ビストロレストラン──
そこを目指し、突然現れキャンパスを横切っていく牛車に学生達は目を見開いている。