この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
眩惑のディナーショー
第9章 駆け込み賄い食の方…どうぞ
普段されたことのない快楽的な責苦を味わされ、アデルは息を吐くと仰向けに寝返りをうった。
「実に気に入った──…名をなんと言う」
「菜々です」
「ナナか…」
呟くとアデルは自分に快楽と甘い痛みを与え続けていた菜々の腕を掴んで見つめる。
「なんという戯術の持ち主…──わたしをこんなに切なく喘がせたのはお前が初めてだ」
アデルは熱っぽく菜々を見つめそう口にする。
「お前を今晩わたしの寝屋に…」
「4800円になります」
「──……」
菜々はエッ?と見つめるアデルに手を差し出す。
「お時間きましたので指圧代、一時間4800円をいただきます」
菜々はそう言ってにっこり笑い返した。
ここは湯の元温泉施設内のマッサージ“こりトントン”
「もう終いか──」
「お客様は一時間の予約となっておりますから」
「ならば延長を──」
「あとがつかえてますので追加延長はご遠慮くださいませ」
営業スマイルの菜々にアデルは呆けた顔を向けて言葉を失っている。
施術技術に定評のある菜々はアデルの後も予約が満杯だ。
アデルは追い払われるように檜の施術台から退かされて乱れたタオルを腰に巻き直す。
すっかりその気になっていたアデルのシンボルが物悲しくタオルをもたげ、暖簾を潜ったように少しだけ頭を覗かせていた……
〜放蕩王子、初めての痛キモ体験。指圧の心、母心〜
アデル&菜々