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眩惑のディナーショー
第14章 福袋[竹]
激しい怒号。そして地鳴りがそこら中を駆け巡る。
岩場に隠れて身を潜め、その物陰から荒くれるラクダの走りをティファニーは覗いていた。
逃げるタイミングを見失ったせいかこの身をどうすることもできない。
目の前には逃げ惑う野盗達と剣を交えながら追い回し、引っ捕らえていく保安部隊の姿が目に移っていた。
「きゃあっ」
腕を斬り付けられた野盗がティファニーの方へ大きな身体を転がす。
男は隠れていたティファニーに気付きニヤリと息の臭う顔を近付けた。
「お前ぇ良いとこにいたなっ」
「きゃあっ」
血に濡れた腕で首を羽交い締められる。着ていた服の胸元を乱暴に破くと男はティファニーを立たせて声を上げた。
「動くんじゃねえっ! コイツを見てみろっ」
男を追ってきたこの部隊の族長──
ザイードは息を切らし、目の前に人質を捕えて立ち塞がる野盗の男を睨み据えた。
ザイードを乗せた鼻息の荒い大きなラクダがフンッと鼻をならす。
「その剣を捨ててラクダから降りろ…じゃあなきゃ女の首をへし折るぞ……」
男は額に汗を溢れさせながらへへっとニタ付きティファニーの頬にベロリと舌を這わす。そして羽交い締めたままジリジリと後退していた。
ザイードは言われる通り、剣を放り投げラクダから降りた。
「こ、こらっ近付くんじゃねえっ! 女の首をへし折るつってんだろが…っ」
「だからどうした…折るなら折れ……」
「……っ!…」
男はニヤリと口角に笑みを含むザイードに必死の形相を向けて慌てる。
岩場に隠れて身を潜め、その物陰から荒くれるラクダの走りをティファニーは覗いていた。
逃げるタイミングを見失ったせいかこの身をどうすることもできない。
目の前には逃げ惑う野盗達と剣を交えながら追い回し、引っ捕らえていく保安部隊の姿が目に移っていた。
「きゃあっ」
腕を斬り付けられた野盗がティファニーの方へ大きな身体を転がす。
男は隠れていたティファニーに気付きニヤリと息の臭う顔を近付けた。
「お前ぇ良いとこにいたなっ」
「きゃあっ」
血に濡れた腕で首を羽交い締められる。着ていた服の胸元を乱暴に破くと男はティファニーを立たせて声を上げた。
「動くんじゃねえっ! コイツを見てみろっ」
男を追ってきたこの部隊の族長──
ザイードは息を切らし、目の前に人質を捕えて立ち塞がる野盗の男を睨み据えた。
ザイードを乗せた鼻息の荒い大きなラクダがフンッと鼻をならす。
「その剣を捨ててラクダから降りろ…じゃあなきゃ女の首をへし折るぞ……」
男は額に汗を溢れさせながらへへっとニタ付きティファニーの頬にベロリと舌を這わす。そして羽交い締めたままジリジリと後退していた。
ザイードは言われる通り、剣を放り投げラクダから降りた。
「こ、こらっ近付くんじゃねえっ! 女の首をへし折るつってんだろが…っ」
「だからどうした…折るなら折れ……」
「……っ!…」
男はニヤリと口角に笑みを含むザイードに必死の形相を向けて慌てる。