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第4章 躾

聞き慣れた名前に耳を傾けるが、善を忘れろと言った宗高の顔を思い出すだけで背中がぞわりとする。


この人がヤクザだと思い知らされる。


和隠が隣に立つ宗高を見上げてそう思っていると、宗高も和隠の視線に気づき見下ろした。


「なんだ？」


ぶっきらぼうに言われ、和隠は首を振った。


余計なこと言って怒らせたら面倒だし。
お風呂では、機嫌も悪くなさそうだったから、取り敢えず維持してもらわなきゃ。


「お寿司美味しそうですね？」


全く食欲なんてないのに、取り繕うように笑ってそう言う和隠に、宗高とその場にいた三浦や数人の男達は和隠を不思議そうに見ていた。